2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧
昨日茅ヶ崎の川上書店で『ヒストリアちがさき』第12号(2020-3)を購入。充実した中身で120頁もあるのに税込200円という驚くべき格安。目当ては大島秀夫「高田畊安のドイツ留学」。雨の大阪に向かう新幹線車中で読み終えた。 高田畊安(こうあん;1861-1945)は、…
今日は、マルクス研究者の植村邦彦教授(関西大学教授) を講師として、近著『隠された奴隷制』(集英社新書)をテキストとした学習会@大阪。同時代の奴隷制を肯定して自身がカロライナ植民地に奴隷を所有していたジョン・ロックから、モンテスキュー、ヴォル…
昨日は、長野県上田市を拠点として、中古本などの売買を業としているバリューブックスのオンラインツアーに参加した。中村和義さん他のスタッフによる案内で、個人宅から宅急便で入庫する様子から、再販売の可不可の判断、買い値の査定、再販売へのデータ入…
中山義秀(1900-69)の中編「碑(いしぶみ)」を読む。中山は福島県白河市の生れ。「厚物咲」で1938年芥川賞受賞。翌年発表の「碑」は、祖父をモデルとしたものと言われ、下級武士の家に生まれた性格を異にする三兄弟が、幕末に佐幕派として、尊攘派として、そ…
『頼山陽詩抄』(岩波文庫)を読む。これは、頼成一と伊藤吉三の訳注で、頼山陽の代表的な詩三百篇を収録している。第1刷は1944年に刊行されたもので、わたしの手元にあるのは岩波文庫創刊70周年記念として1997年3月に復刊された第3刷。半世紀かかって3刷…
昨6/9日は、『丸山眞男講義録別冊一、二』(東大出版会)の刊行を記念した 公開セミナー「丸山眞男の講義:政治思想史家丸山眞男は講義を通して何を訴えようとしたか」(主催:東京大学校友会ほか)に出るため久々に東大本郷へ。山辺春彦講師が『講義録別冊』…
三浦綾子『われ弱ければ:矢嶋楫子伝』(小学館、1989)読了。矢嶋楫子(1833-1925)は女子学院院長をなどを務めた教育者、かつキリスト教婦人矯風会を率いた社会運動家。著者はこの自らの作品について「単なる伝記の抄出のようでいて伝記でもない。小説に似て…
藤沢市辻堂西海岸の勘久公園を訪れた。ここは、北海道は岩見沢の出身である編集者・作家の中村武羅夫(1887-1949)が1921年に別荘を建てその後住まいとした地。辻堂駅から南に約15分の距離。跡地は勘久公園として整備され、中村の文学碑「誰だ 花園を荒らす者…
頌 土方正志(20160309) 5年を迎える東日本大震災の起きた3月11日が近づいてきて、落ち着かない気持ちでいる。そのような中、今日は、東京は神田神保町の東京堂書店で開かれた《『震災編集者――東北のちいさな出版社〈荒蝦夷〉の5年間』刊行記念 土方正志さ…
【回想】わたしは、30代は、東京大学出版会の編集者として、出版方針の一つの柱として尽力したのは、日本戦後史をテーマとしたものである。特に、日本が降伏したのちGHQによって統治された占領戦後史を重点的に出版の焦点に据えた。これには理由がある。アメ…
夢野久作の佐左木俊郎宛書簡が国書刊行会版『夢野久作全集6』月報の土方正志「夢野久作と佐左木俊郎」で紹介されている。それによると、日本探偵小説三大奇書の一つに数えられる夢野久作『ドグラ・マグラ』の原稿は、最初、作家であり新潮社の編集者であっ…
「南原繁書簡 丸山眞男宛 21通」が『東京女子大学比較文化研究所附置丸山眞男記念比較思想研究センター報告』(2019.3) に掲載されている。特に戦前の8通は今回初めての公開と思われる。その中に南原の歌集『形相』に収録されなかった歌も書簡中にあるのも…