植村邦彦『隠された奴隷制』

今日は、マルクス研究者の植村邦彦教授(関西大学教授) を講師として、近著『隠された奴隷制』(集英社新書)をテキストとした学習会@大阪。同時代の奴隷制を肯定して自身がカロライナ植民地に奴隷を所有していたジョン・ロックから、モンテスキューヴォルテール、スミス、ヘーゲルマルクスの奴隷・資本主義観を踏まえ、今日、新自由主義のもとで自由に働く私たちも奴隷ではないかと問い、奴隷制を逃れて資本主義の終焉をどう生きるかを提示する内容。

ジョージ・フロイド事件に発した反差別運動が、コロンブス像、黒人貿易商の像、南軍の将軍像の打ち壊しに至っている今日、奴隷と奴隷制を考えることは、緊要の課題であると思った。

なお、著者は1952年の早生まれ。わたしと同じである。名古屋大学で平田清明に学び、一橋大学大学院では良知力についたという(最初に務めたのが熊本大学)。平田(学派)は大平内閣誕生にシンパシーを感じていたというが、その意味するところは何なのだろうか。