2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

同伴者作家としての佐左木俊郎:宮本顕治の「同伴者作家」

【同伴者作家としての佐左木俊郎】 宮本顕治「同伴者作家」(1931.4月号) を『宮本顕治文芸評論選集 第一巻』(新日本出版社1980)で読む。トロツキー文学論での同伴者作家の規定に準拠しながら、広津和郎を主とした対象として論じ、広津らは革命的プロレタリ…

転向文学を書いた石坂洋次郎

【転向文学を書いた石坂洋次郎】 『青い山脈』や『石中先生行状記』などで知られる石坂洋次郎を「転向文学者」と呼ぶと違和感を与えるのではないだろうか。わたし自身、そう思っていた。ただ平野謙『昭和文学私史』(毎日新聞社、1977)で石坂の『麦死なず』…

北のまほろば

石坂洋次郎との関連で葛西善蔵について調べていて、そう言えば、旧弘前市立図書館の近くに文学者の碑があったことを思い出した。調べてみたら、今官一文学碑である。 2008年8月、大学出版部協会の夏季研修会で弘前に行った時である。その時は、金木町の斜陽…

田口富久治先生追悼

田口富久治先生追悼2022/06/08 はじめに本日6月8日、田口富久治先生の訃報に接した。共同通信の流した記事。《田口 富久治氏(たぐち・ふくじ=名古屋大名誉教授、政治学)5月23日午前5時8分、老衰のため愛知県日進市の病院で死去、91歳。秋田市出…