バリューブックスのオンラインツアーに参加

昨日は、長野県上田市を拠点として、中古本などの売買を業としているバリューブックスのオンラインツアーに参加した。中村和義さん他のスタッフによる案内で、個人宅から宅急便で入庫する様子から、再販売の可不可の判断、買い値の査定、再販売へのデータ入力、倉庫の棚への整理まで、さらに受注から梱包しての発送の様子を伝える、実際に働いている倉庫や事務所をめぐるZoomによるツアーである。

 入庫するのは1日約2万点、うち再販売が可となるのが約1万点、不可となるのが約1万点。つまり、古紙再生に回されるのが1日約1万点となるのだから、凄まじい。汚本や書込みがある本、ISBNがない本だけでなく、村上春樹などのベストセラー本も処分される。もったいないが、独立採算制で運営しているのだからやむを得ない。しかし、バリューブックスの人たちはここで終わらない。

 感心したのは、その処分本からスタッフによる目利きで然るべきものを選書し、独自のリアル書店を構えて読者に繋げようとしようと努力している。そこには本を大切にしようとする姿勢が感じられた。また、さまざまな施設へのギフトブックの仕組みも動かしているという。

 私たちがバリューブックスに送り出した本が、彼らを通して次の読者にどのようにして渡っているのか、その現場を目の当たりにしたツアーであった。本と人とを繋ぐのは、新刊を中心とした出版社・取次書店・リアル書店インターネット書店によるだけでなく、彼らのような中古書プラットフォーマーによってなされていることを、書籍出版に携わっている私たちも自覚しなければならないことを強烈に印象付けられた。