吉野作造記念館20周年記念講演 三谷太一郎「晩年の吉野作造」を読む

20150207

吉野作造記念館20周年記念講演レジュメである三谷太一郎「晩年の吉野作造」を読む。明治文化研究会や大学教育活動、そして男子普通選挙後の無産政党支援を取り上げている。
無産政党支援について次のように評価するのは鋭い。《晩年の吉野の政治活動は、吉野の死後12年後の敗戦日本の政治に無視することにできない遺産を残した。それは敗戦後に日本の空白を埋めた片山内閣から芦田内閣にいたる「中道連立内閣」の骨格を作ったことである。「中道連立内閣」は吉野の精神的影響を受けた社会大衆党的勢力や少数派リベラル勢力を中心として組織された。、、、晩年の吉野が無産政党の育成を通して事実上準備したもう一つの選択肢が敗戦日本を無政府状態の危機から救ったのである。》と。
吉野は、その死後の敗戦日本において生き返り、そして敗戦70年の今日もまた、我々を鼓舞すべく生きている。