都築勉『おのがデモンに聞け―小野塚・吉野・南原・丸山・京極の政治学』(吉田書店)読了。

都築勉『おのがデモンに聞け―小野塚・吉野・南原・丸山・京極の政治学』(吉田書店)読了。素晴らしく面白い本。5人の政治学者(小野塚喜平次、吉野作造南原繁丸山眞男京極純一)を取り上げている、素晴らしく面白い本。

簡単に書けば:①20世紀日本政治学の大きな見取り図の中に各人を捉えて位置づけたこと、②小野塚が「日本の最初の政治学者」であることを、大学制度的だけでなく、学問内容的に根拠付けたこと、③小野塚政治学を引き継ぐ吉野の言論活動を、啓蒙ではなく、伝道の精神によるものと洞察したこと、④南原晩年の『政治哲学序説』を「政治原論」として捉え返したこと、⑤丸山を戦前の政治学の系譜に連ねて検討したこと、⑥京極政治学の全体像を初めて本格的に描いたこと。

詳しくは別途。

 

1/26追記 東大政治学を対象とした都築勉『おのがデモンに聞け』(吉田書店)を読みながら思った一つのことは、(著者も気付いていることであるが)日本の政治学の源流は東大だけではなく、少なくとも同志社-早稲田系列も同等に扱わないと、バランスの取れた評価はできないだろうということだった。
その早稲田政治学の源流を精力的に掘り起こしたのが、14年前に急逝された内田満先生の『日本政治学の一源流』(早稲田大学出版部)である。