2023-05-06から1日間の記事一覧

伊藤永之介『恐慌』(文芸戦線出版部1930)

伊藤永之介『恐慌』(文芸戦線出版部1930)を読む。 収録された「恐慌」は、1927年の片岡直温蔵相の「失言恐慌」による銀行取付騒ぎを背景とした、日本における経済小説のはしりと評される興味深い佳作。「指」は、徴兵された兵士が兵役拒否をしようとして自ら…

山田孝雄『平田篤胤』(畝傍書房1942年8月8日初版)

山田孝雄『平田篤胤』(畝傍書房1942年8月8日初版; 1万部)を読んだ。山田孝雄(よしお)については、文法学・国学系の研究者として、また谷崎潤一郎訳『源氏物語』が戦時を慮って中央公論社が校閲役を依頼した人物として、また『国体の本義』を書き、古道を…