西野嘉章著『装釘考』(玄風舍発行、青木書店発売、2000年)

西野嘉章著『装釘考』(玄風舍発行、青木書店発売、2000年)を再読。凝った造りで、上製、ジャケット・函付。サイズは224×159mmなので菊判変型ないしA5判変型。活版で、おそらく原版刷。本文は概ね旧字体。本文用紙も敢えて上質紙ではないものを使用。「装釘」という表記にも著者の思考と嗜好があらわれている。

世に特殊な限定版の書籍の装釘を主に扱ったものはあるが、本書は限定版に偏ることのない、(著者にしては)バランスの取れた近代日本装釘史として読める。

カラーの書影が収録されていてそれを見るだけでも楽しいが、本文で言及される本がどこのカラー口絵にあるのか(ないのか)ページ付けされてなくて、自分で探さなければならない苦労も楽しい。

(現在は平凡社ライブラリー版で入手できる)

 


目次は以下の通り。

近代造本史略 序にかえて

活字/南京綴じ/和装/改題御届/背文字/稀密画/合巻/異装/新装/小口/絵表紙/総クロース装/墨ベタ/軟表紙/軽装/色/三六判/線/挿画/袋紙/菊判/見返し/図様/盛装/二度刷り/外函/銀箔/金版/袖珍本/裏絵/包紙/図案/発行日/革装/込み物/作字/誤植/定価/用紙/横文字/クラフト紙/絵文字/仮綴じ/三方アンカット/ノンブル/遊び紙/継ぎ表紙/メタル装/普及判

歴史の文字 記載・活字・活版

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