ザビエル像:茨木市立キリシタン遺物史料館

f:id:takeridon:20201014151535j:image昨日、上野の東京国立博物館の「桃山」展を見に行った。時間予約制で、混んではいないため、見たいものをゆっくり見ることができる。国宝クラスの沢山の逸品の中で、嬉しかったのは「聖フランシスコ・ザビエル像」。初めて実物をゆっくり見て、その万葉仮名も読むこともできた。
画の下部には「聖フランシスコ・ザビエル イエズス会会員」のラテン文を記し、その下の黄色地には「瑳 布落怒青周呼 山別論 廖 瑳可羅綿都 漁父環人」という万葉仮名に「IHS」の朱印と壺印が捺されている。万葉仮名文の意味は「聖フランシスコ・ザビエルのサクラメント 漁父環人」。「漁父環人」はローマ教皇をさすという説がある。この画はザビエルの列聖(1622)以降に日本で狩野派の絵師によって作成とされるが不明。
大阪府茨木市隠れキリシタンであった地区に現在、茨木市キリシタン遺物史料館が建てられ、かつて訪ねたことがある。茨木駅からバスと徒歩で40分ほどかかった。ザビエル像はこの史料館に隣接する東家に伝わり1919年に発見。「開けずの櫃」という箱に、『どちりなきりしたん』や『ぎやどぺかどる』の写本などと共に秘匿され、当主だけにその存在が伝えられたいう。現在は神戸市立博物館蔵。f:id:takeridon:20201014151527j:image