吉野作造と清水安三

20120106

 「清水安三の北京時代」というブログ(2008年)に次の記事がある。桜美林大学の創設者の清水安三の著作『支那当代人物』と『支那新人と黎明運動』に吉野作造は序文を寄せている。ブログの筆者は桜美林大学理事長/学園長の清水畏三。

《“大正デモクラシ−"の時代といえば、その論客チャンピオン(主将格)は吉野作造先生(東京大学教授、政治学)であります。吉野先生は日本の対朝鮮政策や対中国政策を厳しく批判された。その吉野先生が清水安三先生の著書2冊(1924年出版、書名「支那当代新人物」「支那新人と黎明運動」)を、大いにほめられた。わざわざ序文を書いて、およそ次のように述べておられます。

 「序文などを書かないという年来の方針を破って、清水安三君の新著を紹介すべくここに筆をとる。清水君の本は非常にいい本だ。予が氏を知るに至ったのは、実は大正9年(1920年)の春、同氏が某新聞に寄せた論文に感激して、われから教えを乞うたのに始まる。同氏はいろいろの雑誌新聞に意見を公にされているが、ひとつとして吾人を啓発せぬものはない。今日の支那通の中で、けだし君の右に出るものはあるまいと信ずる」

 「清水君の論説する所は、ことごとく種を第一の源泉から汲んでいる。書いたものによってその人の思想を説くのではない。直接に氏の書中に描かれた人々と永年親しく付き合っているのである。このごときは清水君でなくてはできぬ芸当だ。何となれば支那の新人と接触してよくその腹心をひらかしむまでに信頼を博するは、ことに今日において我が同胞にほとんど不可能だからである。清水君はこの不可能をよくし得た唯一の人である」。》